朝晩はすっかり冷え込み、冬の気配を感じるようになりましたね。季節の変わり目は胃腸が弱り体調を崩しやすくなります。そんな時は優しく体を温める「葛(くず)」がおすすめ。
葛は生命力が非常に強く、日本各地で繁茂していますが、気候・日当たり・水はけ・土壌など良質な葛の根が取れる条件の揃った地域は意外と少ないそうです。その上、山に自生する葛の根からでんぷんを取る作業は人手も手間もかかるため生産量が限られ、貴重な品に。最近は「葛」とうたっていてもじゃがいもやさつまいもでんぷんが混ざっているものが多いのですが、葛本来の風味や効果を最大限に味わうにはぜひ本葛を選んでください。
本葛には、整腸作用・解熱作用・血行促進・免疫力向上など様々な効能があります。漢方薬の風邪薬「葛根湯」はまさにこの効能を利用したものです。
葛の利用法といえば葛湯が一般的ですが、片栗粉の代わりにお料理に使うこともできますので、これからの季節ぜひ台所に常備してくださいね。

管理栄養士・斉藤