男女がめぐり合って、子どもを宿し、家族で新たなる世代を育む。 その過程(process)が家庭(family)であり、その日常が「お産」そのものであると私は考えています。
お産という命がけの道中、「生き生きとした母子の生命力の強さと自然の崇高なる神秘」(吉村正先生の文章引用)を家族と共有すると、共感や感動が生じやすく、その体験は、それぞれの人生や家族の絆をより確かなものにすることでしょう。
それゆえ、お産直後からの数日間、夫や上の子の付き添い入院を、当院は大切にしてきました。
しかし、昨今の社会情勢と院内感染制御の観点から、母と新生児以外の家族の宿泊と面会を制限することになりました。お産後入院中に家族と過ごすことを必要とし、期待されていた方々には大変心苦しいですが、何卒ご理解とご協力をお願い致します。
安産して帰宅後、新たなる家族で安寧に過ごせますよう、引き続き、産前ケア・産後養生を重視して支援して参ります。
生と死のはざまであるお産の立ち合いは継続しています。
日々刻々と丈夫に生きて、夫婦仲良く、明るい過程の家庭を遺してゆきましょう。
たなかやすこ