もう51歳になる。私の50年はやはり、この世界や自分を知るための時であった。苦しい時、不安な時、ふと見る風景や情景が美しく圧倒的な励みになり、こうして幸せにしている。

一方で、自分のすべき事や当てられる時間や能力を考えると、もどかしくなる。しかし、やるだけやって、後はゆだねようと思えてくる。それは、やはりお産や産婦人科治療に携わっていているからであろう。

女性の、命の、そして時代の鼓動によって生きる。

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　院長　田中寧子