医師になって10年目に吉村正先生より、この本にメッセージをいただいた。
5歳の息子を連れて愛知県岡崎市の吉村医院へ来て15年。
「なぜこの仕事をしたいのか?」20歳と5歳のふたりの子どもを授かり、育てていく中で心底幸せと思うから。その恩返しをしたい一心で働いています。
お産は母子と家庭の原点です。お産の時を大切にするということは、それぞれのタイミングを尊重することで、その人はもちろん、その家族や社会の未来の尊厳を守ることだと考えています。
“尊厳”とは尊く、おごそかで犯してはならないこと。気高く、威厳があること。人としての尊厳とは、人間としての根源的な価値。人の尊厳を守ることは、その人の自由と生存を尊重すること。
陣痛中の女性は圧倒的です。母の胸にたどり着いた新生児は哺乳動物です。生きるための呼吸と行動を開始します。ひっきりなしに。
院長 田中寧子